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R.CUBE

ジャマイカ音楽業界のターニングポイント
text:Sachica
r3.png ここ数週間、ジャマイカの路上ダンス規制見直しが政府によって提唱されているとともに、現代の野外音楽イベントやアーティストのあり方について活発的に議論されている。今回は話題に挙げられている【騒音防止法】【ダンスイベントの年齢制限】【アーティスト目録】について紹介したい。



【騒音防止法】

©Jamaica Gleaner

ジャマイカで騒音防止法が制定されたのは97年で、現在、音楽イベントを開く際は警察の許可を取ること、日曜〜木曜日は深夜12時、金曜・土曜日は深夜2時にイベントを終了することが義務づけられている。しかしながらこの規制が守られないことも多く、イベント会場の周辺住民からの苦情が絶えないため、この度政府がこの規制の見直しに動き出している。

夜は静かに眠りたい住民と、夜間のイベントで生活をしている音楽業界の人々との間の妥協策探しは難航しているが、一案として政府より "エンタテイメント・ゾーン" の設置が提案されている。

"エンタテイメント・ゾーン" とは、土地柄によってイベントの開催規制をAからDの4つに区間分けするというもの。

具体的には、《A地域》は閑静な住宅街なのでイベント規制が最も厳しく、いかなる理由であっても深夜12時(2時)にイベントを終了しなければならない地域。

《B地域》も住宅街であり、特別な理由からイベントを規制時間外に行いたい場合は、あらかじめ65%以上の住民の署名を集めることが求められる地域。署名の提出に基づき、騒音防止協会と警察がイベント開催可否の最終判断を下す。日曜日のイベントで有名な「Rae Town」などがこのカテゴリーに属する。

《C地域》は更に規制が緩まり、住民の35%の署名が求められる。

そして《D地域》は、署名なしで時間の制約もなくイベントが開催できる地域。「Passa Passa」や「Duty Fridays」がこのカテゴリーに属する。

エンタテイメント省のCrawford大臣
©Jamaica Gleaner

一見とても合理的な案のように見えるが、この問題を担当しているエンタテイメント省のCrawford大臣はジャマイカならではの問題点を指摘する。

「エンタテイメント・ゾーンの設置案は昔からあったものの、ジャマイカはアメリカやヨーロッパと違い、イベントが必ずしも会場で行われていないから、この案の施行があまり意味を成さないんじゃないかと言われてきた。ジャマイカは音楽文化がとても色濃い国だから、路上のあちこちでダンスイベントが行われている。だからひとつの法案にすべての状況を当てはめるのが難しい。土地に見合ったそれぞれのルール作りが必要になる」

同時に、今後の対立を防ぐため、イベントが頻発的に開催されている地域には家を建設しないということも提案されている。




【ダンスイベントの年齢制限】

Bounty Killer

"エンタテイメント・ゾーン" の設置案に加え、イベントの透明性を管理する観点から、年齢制限を設置することも提案されている。イベントの内容によってG、PG、PG16、PG18、Rとあらかじめ公表する。

これはダンスホールスターのBounty Killerが長年訴えてきた内容でもあり、同アーティストによると「年齢制限の設置によって客がどんな内容を求めてイベントにやってくるのかが明らかになり、アーティストとしてもパフォーマンスがしやすい」のだという。




【アーティスト目録】

Chuck Fenda
©Jamaica Gleaner

エンタテイメント省のCrawford大臣は、現在の音楽業界には責任制度がないとも指摘し、世界の音楽市場での信憑性獲得の観念から、ジャマイカの全てのプロアーティストが政府系機関にアーティスト登録することを義務付け、世界市場に売り出しやすい環境を整えることを提案している。

プロ登録したアーティストは、自身のプロフィールとサンプル楽曲がインターネット上に目録として公開されるので、世界中のプロモーターは簡単かつ安全にアーティスト発掘及びイベントへのブッキングができるようになる。それに加え、登録されているというお墨付きから、アーティストにとって外国のビザ取得が容易なものになれば、とも同大臣は目論んでいる。

アーティストにとって外国ビザの取得が容易なものとなり、政府にとってアーティスト管理(税金面など)を簡素化するツールとなるならば、お互いの利害が一致することから、この制度は成功するかもしれない。




音楽の都ジャマイカではその自由な環境があって音楽文化が栄えてきた。今でも音楽を職業としている人は多く、彼らの活動の場は主に夜間の音楽イベントである。そこを仕事場とする企業も多い。しかし、音楽のみならず様々な仕事をして国を支えている国民も沢山いる。ジャマイカが近代化した21世紀の今、音楽イベントやアーティストのあり方も近代的な社会システムに沿ったものであるよう見直しを迫られていることは確かなようだ。

[Source]
Balancing The Act - Crawford Seeks Compromise Between 'Want To Eat And Want To Sleep' [Jamaica Gleaner]
Certified Creative - Crawford Pushes For Entertainment Registry [Jamaica Gleaner]

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■Sachica プロフィール

ジャマイカ在住。
2011年、歴史遺産学修士号取得。
ジャマイカの歴史、文化遺産、観光ガイド本の類を出版するのが密かな夢。関係業界の方々からのご連絡をお待ちしております!


2013.06.27:R.CUBE
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