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海外で研究される日本の若者とジャパニーズ・レゲエ
text:ま〜る博士 (Matthew Marr, Ph.D.)
special thanks:Sachica (Sachica Inna Jamaica)
r3.png 3月某日、マイアミ市にあるフロリダ国際大学(Florida International University:FIU)で、アメリカ南部の大学において日本の社会、歴史、宗教、文学などを研究する研究者による日本研究学会が開かれた。そのなかで、ジャマイカのダンスホール文化に熱中する日本の若者についての研究が発表され、参加者の関心を集めた。
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この辛辣な研究を動かしているのは、インディアナ大学(Indiana University)文化人類学部のマービン・スターリング(Marvin Sterling)助教授。高校時代にニューヨークへ移民したジャマイカ人である。大学院在学中の90年代後半に、日本におけるルーツレゲエやラスタファーライ運動について研究しようと志して来日。ちょうどその頃、一部の若者の間でダンスホール文化が広がりを見せ始めていたので、日本のサウンドシステムやダンサーについての研究も進めた。二年間の滞在で、東京、横浜、大阪、沖縄、吉野などのレゲエの現場に潜入したり、田舎でラスタコミュニティーを形成して暮らす人々を訪ねたりすることでフィールドワークを積んだ。
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FIUの日本研究学会において、朝一番のメインスーピーカーであったスターリング助教授は、参加者に目を覚ましてもらうために、お気に入りの一曲、三木道山の [Lifetime Respect] をかけた後、ジャマイカに訪れる日本人と暮らしている日本人についての話をした。バブル期から95年頃までは、モンテゴ・ベイやネグリルなどのリゾート地を訪れる日本人観光客が多くいたが、今ではそのような観光客は激減している。他方、キングストンを中心とする都市部に長期滞在をするケースが増え、現在、ジャマイカに在住する日本人は200人にのぼる。スターリング助教授によると、彼(彼女)等は、ダンスホールをはじめとするジャマイカ文化に興味を示し、アメリカやヨーロッパへ旅行する日本の若者とは違って、開発途上国へと「自分探し」の旅をしているという。「自分探し」の旅や体験によって、社会的に均質と意識されている日本社会に抵抗し、社会を改革していくことが期待される。

また、日本の若者が、ジャマイカの音楽シーンを楽しむだけでは物足りず、ジャパニーズ・レゲエと呼ばれる独自の音楽シーンを確立するに至った現象についても触れ、ジャパニーズ・レゲエの一例として、Nanja Manの [Born Japanese] の歌詞を分析した。日本人としての誇りが歌われ、アメリカ社会をバビロン(権力や悪の象徴)になぞらえて批判している。また、ジャマイカ社会に根強い反同性愛者主義が、ダンスホールによって海を渡っていることも否めないと指摘した。

最後に、ジャマイカを訪れる日本のレゲエファン、サウンドマン、ダンサーに対するジャマイカ人の反応をまとめた。

「なんで侍や芸者が住むような国の人(東洋人)がダンスホールやラスタに興味を持つか!?」
(不思議がり、驚いた様子)

「ジャマイカ文化が地球の裏側まで浸透しているぜ!」
(誇らしい様子)
日本におけるジャマイカ・ブームを経済的にうまく利用するべきだと考えるジャマイカ人も少なくない。

「日本人はお金持ちであり、アメリカ人やヨーロッパ人と同様、ただの文化泥棒」
(怒った様子)
ジャマイカは文化的に優位かもしれないが、経済的にはまだ弱い立場にある。
現在は上記のような反応だが、ジャマイカを訪れたり、暮らしたりする日本の若者が今後さらに増えることで、彼らの存在がジャマイカ社会のなかで普遍化されていくのではないかとスターリング助教授は予測する。

今回の講演では、日本研究、カリブ研究、文化人類学の学者や学生に、ジャパニーズ・レゲエという現象について知ってもらうことができた。スターリング助教授は、日本とジャマイカの文化的関係について著した本「Babylon East: Dancehall, Roots Reggae and Rastafari in Japan」がDuke University Pressから出版予定。日本の出版社とも交渉が進んでいるらしいので、皆さんお楽しみに。
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■著者:ま〜る博士 (Matthew Marr, Ph.D.) プロフィール

Matthew Marr, Ph.D.は、フロリダ国際大学、グローバル・社会文化研究学部、アジア研究(Florida International University, Department of Global and Sociocultural Studies, Asian Studies)の助教授。 カリフォルニア州ロングビーチ市の高校で日本語を習い始め、現在は、ジャマイカ、日本、世界のレゲエを聞きながら日本とアメリカの格差社会について研究し、教鞭をとっている。



《ロッカーズチャンネル編集部よりお知らせ》
ま〜る博士に、日本のレゲエをもっと知ってもらおう!
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マイアミの大学で、日本のレゲエが研究されていたなんて!!

この衝撃的な企画の発起人は、今回ロカチャン初登場、コラムを書いてくれたフロリダ国際大学の『ま〜る博士 from U.S.A』(日本語ぺらぺらなんです!)。このま〜る博士の発案により、同じく日本のレゲエを研究している『マービン先生 from JAMAICA』がフロリダ国際大学に招かれ、「ジャマイカのダンスホール文化に熱中する日本の若者」についての研究発表が行われました。

そんなま〜る博士に、もっと「ジャパニーズ・レゲエ」を知ってもらいませんか?

この研究はこれからも続けて行くとの事なので、ロカチャン編集部より国際宅急便で、ジャパニーズ・レゲエ(日本のレゲエ文化)に関するモノを色々送らせて頂こうと思っています。もし、皆さんの中で、「ぜひこれも聴いて(見て)、研究に役立てて欲しい!」なんて方いましたら、ロカチャン編集部までぜひご一報下さい。

音源、映像、資料…等々、形式は問いません!
しっかりと一緒にお送りさせて頂きます(締切:5月30日 → 6月15日)!!

[問] ROCKERS channel編集部(担当:北野)
〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町2-1 渋谷ホームズ422号室
TEL/FAX 03-3780-3636
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2009.05.08:R.CUBE
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