2008.11.12 ON DVD !!!
MIGHTY JAM ROCK presents
「HIGHEST MOUNTAIN 2008 -10TH ANNIVERSARY」
VIBL-436~437 / ¥5,250(tax incl.)
■片面2層/ 2枚組 ■16:9 / LB ■TOTAL Time: 233 min.
<特典映像 ☆会場レポート映像☆& "BIG 10" Music Video収録>
【収録アーティスト】
<DISC-1>
LITTLE SOLDIER / MIGHTY JAM ROCK / 強 & PEQUU / SUPER TRASH / 55LEVEL / 笑連隊 / KENTY GROSS / RODEM CYCLONE / JING TENG / GUAN CHAI / NANJAMAN / BOOGIE MAN, VADER & ARM STRONG from ラガラボMUSIQ / SUNSET the platinum sound / HOME GROWN / RANKIN TAXI / HAN-KUN from 湘南乃風 / H-MAN / MOOMIN / MIGHTY CROWN
<DISC-2>
PAPA B / FIRE BALL / JUNGLE ROOTS / BURN DOWN / NG HEAD / RYO the SKYWALKER / PUSHIM / JUMBO MAATCH, TAKAFIN, BOXER KID from MJR
HIGHEST MOUNTAINはLOWEST MOUNTAINから始まった・・・。ということは、関西のレゲエ・ファンならばよくご存知のことだろう。その記念すべき第1回の会場となったBAYSIDE JENNY('05年にクローズ)があった場所、天保山は「国土地理院発行の地形図に山名と共に載っている」標高4.53mの日本一低い築山=人工の山だったりするのだから(山岳救助隊も待機してる、ってホンマに言うてんの?)。同クラブではそれ以前にも、TOKIWA CREW時代の"彼ら(NG HEAD 、RYO the SKYWALKER、JTB、PUSHIM)"が、クルーで横並びに登場した『Slang』というバンド・ショウが行われたこともあった。現在では"日本最大級の日本人オンリーの野外レゲエ・フェス"として、また"大阪レゲエ夏の風物詩"として定着しているHIGHESTも、その1合目は"真冬開催(99年12月)"の"クラブでのオールナイト・イヴェント"だったのである。そして、その夜は主催者=MJR PROMOTIONが事前に立てていた目標の1000人を遥かに超える数のレゲエ馬鹿がそのLOWEST 、なのにHIGHESTな山頂を目指して駆けつけたのである。その後、満を持して野外進出を果たしたその場所は、2008年に五輪招致に名乗りを上げた大阪の会場候補地=舞洲スポーツ・アイランド(野外特設会場)。そう、北京ではなく大阪でオリンピックが開催されていれば、世界一の俊足ウサイン・ボルトらジャマイカ陸上チームが、この西のレゲエの聖地を駆け抜けていたわけだ(HIGHESTとのバッティングのことを考えると、ホンマここじゃなくてよかった!)。90年代にはジャマイカン・アーティスト中心のバンド・ショウ『REGGAE JAPANSPLASH in OSAKA』の会場でもあったこの舞洲という名の人工の島が出来る前は、大阪が日本で一番(面積の)小さな県(府)だったのだが、この辺りが埋め立てられたことにより、現在は香川県に次ぐ二番手、となっているのも有名なハナシだろう(また、その香川には例の地形図には載っていない日本一低い天然の山=御山もあったりする)。90年代後半当時から大阪にも"野外ダンス"は存在(大阪城公園や、堺築港など)したのだが、ここまでの規模のバンド・ショウはHIGHEST以前にはなかった。その意味でも、地元大阪のレゲエ・ファンにとってHIGHESTは特に「このそんじょそこらの山とは違う(=Top a Top of Mountain)」ビッグ・ダンスであり続けているのだ。
そして「BIG10」の時を迎えた今年の夏、あいにくのスコール続きで決行そのものが心配された中、この日は見事に一日中晴れ渡っていたのである。"レゲエの神"は確かに舞洲上空で微笑んだ・・・いや、えべっさんクラスの大笑いだったのかもしれない。それくらいの猛暑。そんな、あちこちでジリジリと肌が焦げる音が聞こえる中、アーリー・タイムに初登場したサウンドLITTLE SOLDIER、強&PEQUUのラバダブ・セットに続き、例によって"はじまりの合図"を主宰のMIGHTY JAM ROCKが力強く打ち鳴らし、タフなアンサンブルを繰り出すバンド=SUPER TRASHをバックにBIG10第1部がスタート。"レゲエ熱中症"のMC=RANKIN TAXIに呼び出されたトップバッターは、HIGHEST出場経験アリの大阪期待の大所帯グループ=55LEVEL。25000人の熱視線にも負けない5人の"勢い"は本物だった。続いては初登場となる東からの笑いの刺客=笑連隊。大舞台に相応しいド派手な衣装もさることながら、随所に工夫をこらしたステージングで、笑いにはうるさい大阪人たちも楽しませてくれた。楽しませてくれたといえば、HIGHESTには久々の登場となる浪速乃ラガ男児=KENTY GROSS(言わずもがな今年の"Road To 横レゲ"の覇者)。「プロポーズ大作戦」入りの彼は「しらんの?」「ほんまに言うてんの?」など、オーディエンスとのやり取りもやはり天下一品で、流行の(?)ラガ詩吟もキメてくれた。信頼度高き1人サウンド=RODEM CYCLONEがCHEHON、BIG BEAR等のダブでしっかりアゲてくれた後は、アルバムを出したばかりの"LIFE STYLE初の関西人アーティスト"JING TENGがステージへ。十八番の「Sweet Sound」などで心地いい音のウェイヴを放ち、「Up&Down」のコンビネーションからGUAN CHAIにスウィッチ。MC(しゃべり&客いじり)含めて盛り上げ上手(携帯ネタも)の、シーンでもっともヴァーサタイルな才能を持つアーティストの彼も最後に「Heart Beat」で感動的にシメてくれた。大阪生まれのハマの兄貴 ことNANJAMANの爆走ぶりも凄まじく、合唱必至のメドレー・スタイルもこの人ならではの説得力が・・・。「よく振ってくれ」には"心の不良たち"の2万強のプロペラ・タオルが大旋風で応えていた。そして、ラガラボの社長・次長・課長!というコールを受けて現れた"オリジナル・ナニワ・イントネーション"BOOGIE MAN 、"Vの字斬りのマイク・バサラ"VADER、"いつでもヤーマン!な絶好調男"ARM STRONGも気合入りまくりのステージを展開。SKYLINE BANDのTONY THE WEEDを呼び込んでの故TERRY THE AKI06の名曲「癒し」も嬉しいサプライズだったし、「I Am Raggamuffin」での"3役コンビ"も強力そのものだった。PUSHIM「Oasis」などのプラチナムなダブを東京から届けてくれたSUNSETも、気がつけばHIGHESTの常連だ。そしてその背後には、1号目からこの山を支える屋台骨=HOME GROWNが。セット・チェンジ終了後は、「司会業だけじゃない!」と"HIGHESTに欠かせない重要人物"PAPA RANKIN'のワンマン・ショウに。「アニキ」が舞洲に響き渡る。そして毎度のことながら、やはりこの場所で聴くオール生の「ヨロコビの歌」 は格別の気持ちよさ、だ。大声援を受けて登場したヴォイス・マジシャン=HAN-KUNの身体能力の高いエネルギッシュなステージング(湘南のオレです!と自己紹介した彼は「サンクチュアリ」も歌った)の次は「盛り上げるためにやってきた」H-MAN。日本のナッツ教授的立ち位置からネクスト・レヴェルに突入した感のある彼の三宝印乃話芸(&焦らし芸)、ダンガントークをしっかり堪能した後には、夕刻前のこの時間に最も映えるキング・オブ・スウィート・ボイス=MOOMINが。「ありがとう最高」から「歩いていこう」のメドレー、「うまれたての瞳」のスティクリ版、そして今年活動20周年の時を迎えたZEEBRAを呼び込んでの「ゆれるロマンス」に大観衆も沸きに沸いた。毎回何かを仕掛けてくる、ワールド・チャンピオンにしてチャレンジャーの気持ちを失わない天下のMIGHTY CROWNが、エンターテイメントとしての兄弟クラッシュ(=変則的チューン・フィ・チューン?)で、「ゲンキデスカ?」という名のエナジー・ドリンクを注入してくれた後は、JUNGLE ROOTSがセコンド(バック)に付き、芸歴20周年のオールド・ヴェテラン、"レゲーの虎"ことPAPA Bが颯爽とリングイン。ラストのニューダンス物「Bubble Swing」に至るまで、早口からナニから流石の技のオンパレードで魅せてくれた。ステージを縦横無尽に使い暴れて帰る(?)印象の火の玉野郎4人衆FIRE BALLのステージでは、HIGHEST BIG10を祝って、お約束の10周マンが999の走る銀河から舞洲の巨大ヴィジョンに交信。その後のブランニュー「Superstar」の盛り上がりもマタ凄かった。HIGHEST及び後夜祭に欠かせないfrom泉州のビッグ・バッド・サウンドBURN DOWNがいつもながらのアツいMCと大阪とJAを繋ぐセレクション(テリ山クラシックやBEAR MANも)で心の銃を開放させてくれた後は、旧TOKIWA勢が初めて並んだカタチとなる最後の部に。その"筆頭"はもちろんこの人、NG HEAD。最強のガラ声が染み渡る、「音楽のチカラ」をしっかり感じさせる貫禄のステージの締めは、この場所に相応しいBOOGIE、KENTY、SHINGO★西成との「大阪プライド」の舞洲初披露だった。安定したマイク捌きでいつも星空に手を伸ばさせてくれるRYO the SKYWALKERは、アゲまくるだけでなく"関西では(ある一定の年齢以上の人は)みんな歌える"名曲「忘れておしまい」(オリジナルはケン田村。だが、レゲエ・ファンにはDRAGON TURBO版で馴染みあり)や、昨年のHIGHESTの次の日に他界したTERRY THE AKI 06への追悼の言葉とテリー・サインを捧げて、"この空の彼方"に届けとばかりに歌った「Ever Green」や、「Seize The Day」で感動の渦を巻き起こした(この間にあたりは完全に"夜"となった・・・)。圧倒的な歌ヂカラで聴く者に勇気を与えてくれる"灯火の女王"ことPUSHIMも、初披露となる「Love This Music」でJING TENGと絡んだり、同じく新曲の「Rainbow」などで、大観衆を魅了。イントロで笑顔がこぼれる最後の「I Pray」も心に響いた。そして大ラスは、もちろんJTB。三者三様ながらヴァイブス満タン、および全力疾走なのは言うまでもなく・・・。CHOZEN LEE 、NANJA、RYO、それぞれとのコンビを挟みつつ、またTERRYへのメッセージを送りつつ、「One Big Joint」から3連発の3人コンビで、その怒涛のステージは終了・・・かと思ったら(思わなかったが)、「これをやらなきゃ終わらないでしょ!」とばかりに"最初で最後"の再現不可の「BIG10」~ラバダブ大会に。その瞬間、大阪舞洲は間違いなく世界で一番熱いレゲエ・タウンだったはず。お節介で当たり前の人情の街、そんな土地柄だからこそ各地の猛者たちとも積極的に交わりながら独自の発展を遂げた、縦横の繋がりが堅い大阪レゲエ・シーン。その歴史は、もちろんこの10年の倍以上に長いものだったりする。氷山の一角ではないが、今"見えている部分"はそのシーンのほんの一握りのものに過ぎないわけで。しかしながら、このHIGHESTという"山"は活火山の如く動き続け、その歴史が何だったのかを垣間見せてくれるのだ。「これを入り口に深夜のダンスに足を運んでほしい!」といった主催者サイドの声明もその答えに直結している。よく大阪はあったかいと言われるが"あったかい"のには理由がある。だからこそ、レゲエ人気も廃れないのだろう。昼には太陽光が眩しすぎてよく見えなかった"マイジャのおっさんバルーン"が、見送りの時にフグ提灯みたく光りながら「来年、11合目で待ってるで!約束やで!絶対やで!」としゃべっているように見えたのは、まさか筆者だけではあるまい。